Facebookにおける人的ネットワーク形成の研究

2017年03月10日

皆さんは、Facebookやソーシャルメディアを日々活用されているかと思います。

さて、億単位の人数のユーザーが全世界で使用しているFacebookですが、ここではどのような人との繋がり・絆が形成されているのでしょうか。見ていきたいと思います。

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米国コーネル大学のDavid EasleyとJon Kleinbergは、Facebookにおける人的ネットワークの形成についてのCameron Marlowの研究を、次のとおり解説しています。

 

Facebookのリンク分析

ます、Facebookのリンクの分析を行い、そのそれぞれのリンクが、友人とのリンクのどのリンクが強い絆であるかなどを調べます。

201603facebook-icon

その時、分析の正確さを保つため、 観察期間(1か月間)における使用状況に基づきリンクに対して、下の3種類の定義を与えました。

 

1)両方向的通信 (reciprocal communication)

リンクの両端のユーザーが観察期間内にともに他方にメッセージを送っている

 

2)一方向的通信 (one-way communication)

リンクの両端のユーザーの一方から他方へ観察期間内にメッセージを送っている

 

3)維持関係(maintained relationship)

観察期間内でリンクの両端のユーザーの一方が他方の情報をフォロー(ニュースフィードサービスの内容をクリック、または友人のプロフィールを2回以上訪問することを指す)したリンク

 

 

Facebook上のネットワーク

下の図はFacebookの利用者のサンプルの1人を中心とした、友人のネットワークを示しています。

201603facebook

 

図左上の「全友人ネットワーク」は、サンプルの人とそのすべての友人とを結ぶリンクと、それらの友人同士のリンクからなるネットワークです。

残りの三つの図は、それぞれ、「維持関係」、「一方向的通信」、「両方向的通信」で、このように限定していくに従って、より粗になっていくのが分かります。

さらに絆の強さに限定すると、ある部分は他の部分より友人関係が急速に薄くなっていきます。

たとえば、図の左上の「全友人ネットワーク」では、それぞれきつく結ぼれた二つの大きなグループ(上側と右側の2つのグループ)が確認できますが、維持関係リンクや通信リンクに限定していくと、右側のグループは上側のグループより急速にリンクが減って、絆が疎になっていくのが分かります。

各図の右側のグループは、サンプルの利用者のおそらく高校時代の友人のグループのように、互いに友人には登録しているが、最近はあまり交流がない古い友人であると思われ、一方、各図上側のグループは、会社の同僚のように最近頻繁に交流のある新しい友人であると、研究をしたCameron Marlowは推測しています。

 

このようにFacebookにおいては、維持関係のリンクが多く、会社の同僚など最近頻繁に交流のある友人との交流が活発な繋がり・絆が多いと推察できます。

ビジネスにおいても、関係を維持し必要に応じて情報を円滑に伝達して使って行くにはFacebookは便利ですね。

 

参考文献:
『ネットワーク・大衆・マーケット ―現代社会の複雑な連結性についての推論』
David Easley,Jon Kleinberg著 2013 共立出版